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施政方針

令和3年度 施政方針

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令和3年度施政方針を掲載しました

はじめに

 令和2年度第9回天童市議会定例会に当たり、市政運営の基本的な考え方について、所信の一端を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。

 令和3年度は、私が4期目の市政をお預かりして最初の予算編成となる年度であります。世界を揺るがせている新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という。)について、希望する全市民がワクチン接種出来ること等で、様々な境遇にある市民の皆様が平穏な生活を取り戻す年となるよう、感染症対策に全力を尽くす所存であります。

 改めて令和2年度を振り返りますと、未曽有の感染症による影響で、感染拡大防止とそれに伴う経済対策に明け暮れた1年となりました。

 市長就任以来一貫して掲げてきた「子育て支援」、「観光・ものづくり」、「スポーツ・文化・健康づくり」の三つの日本一への挑戦に向け、様々な施策に取り組む予定でしたが、感染拡大防止の中、新しい生活様式の下での対応を余儀なくされ、特に「観光」や「スポーツ・文化」の面では大きな打撃を受けました。

 天童の春を全国に発信する天童桜まつりは、東日本大震災時以来となる2度目の中止とせざるを得ず、また、天童夏まつりや天童ラ・フランスマラソンも中止といたしました。

 小・中学校においては、昨年3月3日から国の要請を受け臨時休校となり、その後2度にわたる延長を経て、学校を再開できたのは5月25日のことでした。

 市としては、介護従事者等へのマスク配付や、国の特別定額給付金の支給、市独自のプレミアム付き商品券の販売を行うなど、その都度、議会の皆様の御協力を得ながら緊急支援事業を実施してまいりました。

 市民の皆様には、大変な御苦労をお掛けしたと感じております。また、医療・介護事業従事者や放課後児童クラブの職員の皆様、その他御尽力いただいた皆様に厚くお礼を申し上げます。

 いわゆるコロナ禍の中で新しい生活様式を取り入れた生活や仕事が推進され、テレワークやオンライン会議等、デジタルトランスフォーメーションの到来を早めることになったと思う次第であります。

 市役所の業務においても、庁舎内に居ながら県内市町村や県関係、あるいは東京の中央省庁の方とのウェブ会議や意見交換を実施することが日常となり、コロナ禍が収束した後もこのデジタル化の流れは加速していくものと考えられます。

 このように日常生活が変化する中で、昨年6月には道の駅天童温泉・天童市森林情報館「もり~な天童」がリニューアルオープン、「天童温泉 はな駒荘」がオープンをいたしました。

 「もり~な天童」については、将棋駒製作の実演や作品展示を行い、観光案内や特産品PRの機能強化を図るとともに、来訪者の市内周遊を促しております。「もり~な天童」を含む道の駅天童温泉はエリア全体の魅力が一層増したものと感じております。

 高齢者健康福祉施設「天童温泉 はな駒荘」については、これまでの「ふれあい荘・かまた荘」の機能を盛り込み、更に、新たな天童温泉の外湯としての役割も担うなど、健康増進と観光に大きな役割を担う施設であると考えております。

 昨年10月には、これまで整備に取り組んできた「山口西工業団地」の北側区域が分譲開始となり、本市に新たな雇用を生み出すものと期待しております。

 また、これまで整備を進めてきた天童公園の「もみじ園」散策路が間もなく完成となり、桜の名所舞鶴山が「もみじの天童」の名にふさわしい、もみじの名所にもなるものと考えております。

 スマートインターチェンジとして計画を推進してきた(仮称)天童南インターチェンジについても、新規事業として許可され、今後実現する運びとなりました。観光や物流などの面において、本市の交通の優位性はさらに増していくものになると期待しております。

 また、国の「GIGA(ギガ)スクール構想」に基づき、全小・中学校の児童・生徒1人1台のタブレット端末導入は今月中に整備が完了する予定で、新たなICT教育の時代がスタートします。

 老朽化した市立山口公民館に替わり、地域活性化・交流センター新築工事が間もなく完成を迎えます。今年4月に供用を開始し、地域活動と仙山交流の拠点として地域から愛される施設となるよう努めてまいります。

 このように、コロナ禍の中でも緊急支援事業を実施しながら、各種施策を進めることができましたのは、議員の皆様を始め多くの市民の皆様の御協力の賜物と、深く感謝申し上げる次第であります。

 さて、国においては、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を1月に11都府県に発令し、いわゆる第3波を乗り越えようとしているところであります。

 このような状況の中、少子高齢化に伴う人口減少は加速しており、地方創生においては、地方への移住支援の更なる促進を図ることを施策として掲げています。人口の東京一極集中が一時的に減速していると言われているところではありますが、少子高齢化や人口減少は、地方においては引き続き深刻な課題であります。

 そのため本市としては、生き生きとして住み続けられる持続可能な未来を描くことができるよう、第七次天童市総合計画に掲げる5つのまちづくりの目標に基づく各種施策に積極的に取り組んでまいります。

 将来都市像「笑顔 にぎわい しあわせ実感 健康都市 ~ともに明日をひらく てんどう~」の実現に向け、市民目線に立った行政サービスの向上と更なる高みを目指した挑戦を続けていく所存であります。

 

令和3年度予算の大要

 我が国では、令和2年1月15日に感染症の最初の感染者が確認された後、3月下旬以降、感染が急速に拡大し、4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が出されるに至りました。その後、国を挙げての対策がなされたものの、7月に入り第2波、11月に入り第3波の感染拡大が見られ、ようやく乗り越えようとしているところであります。

 感染症の拡大による我が国の経済への影響は甚大なものとなっており、海外経済の減速により影響を受けやすい製造業のみならず、サービス業にも広く感染症拡大に伴う景気下押しの影響が拡大し、企業の倒産や従業者の解雇が増大しつつあるなど、これまでに経験したことのない局面を迎えています。

 こうした中、国では、感染症対策を講じながら経済活動のレベルを段階的に引き上げつつ、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図っていくこととしています。さらに、ポストコロナの新しい社会の実現と中長期的な成長力強化の取組を推進していくため、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策(令和2年12月閣議決定)」に基づく「15か月予算」の考え方で、令和2年度第3次補正予算と令和3年度当初予算を一体的に編成するとしています。

 このような中、令和3年度の地方財政対策においては、地方が安定的な財政運営を行うために必要となる一般財源総額について、令和2年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することを基本とし、地方税収の大幅な減収については、地方交付税、臨時財政対策債等の増額により対応することとしています。しかしながら、感染症の影響により、本市の令和3年度の税収は大幅な減少が予想され、通常年の歳入を確保できる見通しが立たない状況にあります。一方、歳出については、保育や医療・介護給付等の社会保障関係経費の増大や感染症の拡大防止に要する経費等が歳出増加の要因となり、今後、数か年にわたり市財政を圧迫していくものと想定されます。

 このような状況下にあって、財政を持続可能なものとし、将来に禍根を残すことのないようにするためには、これまで以上に歳入確保による財源捻出や経費節減に努め、最少の経費で最大の効果を発揮する取組が求められています。

 これらを踏まえ、令和3年度予算は、第七次天童市総合計画の推進を支える礎として健全財政を確保するとともに、緊急度や優先度に応じた事業の取捨選択を基本にしつつ、各種施策の推進を図ることで、本市の堅実な市政運営を目指した予算編成としたところであります。

 歳入予算については、感染症の影響により市税の大幅な減少を見込むとともに、地方財政対策に基づき、地方交付税、臨時財政対策債等の増額を見込んでおります。また、国や県の補助金等の財源確保を積極的に図るとともに、臨時財政対策債以外の市債については、後年度負担を考慮し、抑制を図りました。

 歳出予算については、感染症の感染拡大防止に取り組むとともに、本市の重点施策である子育て支援を更に充実し、日本一子育てのしやすいまちを目指します。また、ポストコロナを見据え、地域ブランド力の向上とPRの強化を図るとともに、新たな工業団地への企業誘致を推進し、にぎわいと活力の増進を図ります。

 この結果、令和3年度の予算総額は261億3千万円で、前年度比1億5千万円、0.6%の減となりました。また一般会計並びに特別会計、企業会計の予算総額は、465億6,317万2千円で、前年度比6億3,283万7千円、1.3%の減としました。

 

令和3年度重点施策

 次に、令和3年度の重点施策について、第七次天童市総合計画の基本計画に沿って、御説明申し上げます。

 

(健康と健やかな成長を支え合うまちづくり)

 初めに、「健康と健やかな成長を支え合うまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 少子化対策の推進及び子育て家庭における経済的負担を軽減する新たな施策として、小学校及び中学校1年生に対し入学応援金支給事業を実施します。

 市内への転入者増加及び市外への転出者抑制を図るために、子育ての視点から本市の優位性を発信し、子育て世代の定住を促進するため、子育てシティプロモーション事業を実施します。

 山口児童館を令和4年4月から公私連携認定こども園へ移行し、早朝・延長保育や3歳未満児の保育需要に対応するため、山口児童館認定こども園移行整備事業を実施します。

 福祉振興基金を活用し、老朽化した福祉バスの更新事業を実施します。

 継続事業として、国の幼児教育・保育の無償化とともに実施する第3子以降保育料無料化事業、18歳までの子どもの医療費無料化事業を実施します。

 病院事業については、経営再生アクションプラン等に基づく収益の確保や経営の効率化に引き続き取り組み、地域に根差した安全で質の高い医療の提供に努めてまいります。

 

(産業の活力と魅力あふれるまちづくり)

 次に、「産業の活力と魅力あふれるまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 つや姫を中心とした天童産ブランド米の更なる推進のため、最新の技術を活用し、生育のバラつきを無くした高品質米の生産拡大を図る、スマート農業推進事業を実施します。

 農業の高齢化及び後継者不足に対して、地域の担い手の確保を支援するため、経営継承・発展等支援事業を実施します。

 新しく農業を専業として始める方の経営を支援するために、農地の借地権設定を行った認定新規就農者等に対し、賃借料の一部を助成する事業を実施します。

 遊休農地の解消及び発生防止を図るため、伐採や抜根、整地等を行った農地の借り手に整地費用を助成します。

 りんごの産地を守るため、ふるさと納税を活用し、追加防除により黒星病を封じ込める病害虫被害拡大防止事業を実施します。

 観光情報センターについて設備の改修を行い、観光客の満足度向上と将棋交流室の快適性向上を図ります。

 山口西工業団地については、分譲中の北側区域に続き、今年秋に南側区域の分譲を開始し、積極的な企業誘致を実施します。

 

(住みよい環境と安心を守るまちづくり)

 三つ目に、「住みよい環境と安心を守るまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 新市街地整備事業として、今後転入者の受け皿となるような良好な住宅地の供給を目指し、適地選定等の調査を実施します。

 スマートインターチェンジ事業については、関連するアクセス道路新設改良事業を行うとともに、設置に向けた事業を開始します。

 移住・定住促進のため、転入世帯及び市内の子育て世帯に対し、住宅購入費の一部を助成する定住促進・子育て世帯支援事業を実施します。

 山形県住宅供給公社との連携により、寺津地内において良好な宅地の分譲を行うことで、地域内の定住人口の確保とコミュニティの維持を図ります。

 市道天童東根線の橋梁工事を継続して実施するほか、道路等の改良や維持補修等についても計画的に取り組んでまいります。

 地域住民の憩いの場や災害時の一時避難所となる、長岡地内の集落公園整備工事を実施します。

 公園の遊具の更新やトイレ改修等の工事を実施し、利用者の安全確保及び利便性の向上を図ります。

 水道・下水道事業については、引き続き健全な経営に努めてまいります。水道事業は、安全な水を安定して供給するため、老朽管路の耐震化や配水施設の更新等を計画的に実施します。下水道事業は、汚水管渠の更生やマンホール蓋の更新等を計画的に実施します。

 消防事業については、救急車及び災害情報収集車の更新を行い市民生活の安全確保に努めます。また、複雑化する災害に対応できる体制強化のため、消防団車両の整備を行います。

(夢をはぐくむ学びのあるまちづくり)

 四つ目に、「夢をはぐくむ学びのあるまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 スポーツセンターの施設改修事業を実施し、安全設備の改修を行い、近年多発する自然災害に対して避難所としての機能強化を行います。

 グラウンドゴルフ場の環境改善のため、管理棟整備事業を実施します。

 美術館については、建物設備等の経年劣化に対応し、屋根や外壁の改修を行い、利用者の安全の確保及び利便性の向上を図ります。

 小・中学校のICT活用教育推進を図るため、タブレット端末の導入に伴う活用支援事業を実施します。

 学校施設における教育環境の保全に努めるとともに、計画的な小学校のトイレ洋式化に向けた整備を進めてまいります。

 天童ラ・フランスマラソン大会については、困難な環境の中ではありますが、魅力的な大会となるよう工夫を凝らしながら実施を目指します。

 モンテディオ山形に関しては、ホームタウンとして新スタジアム建設に係る関係団体の動向を注視し、情報収集に努め、天童市民応援デーなどにおいて全市を挙げた支援を展開します。

 

(健全な行財政をともに築くまちづくり)

 最後に、「健全な行財政をともに築くまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 明治大学との新たな取組として、幅広いテーマの奥深い講座を、より多くの市民が受講できる仕組みであるオンラインでの連携講座を実施します。

 テレワークの普及により地方移住の関心が高まってきていることから、市立図書館内にコワーキングスペースを設置し、テレワーク環境の整備を行います。

 結婚新生活支援事業を拡充し、経済的な理由で結婚に踏み切れなかった方の支援を行います。

 ふるさと納税については、寄附者の志が農業や地場産業の振興等に繋がる制度の趣旨をいかした上で、賛同する寄附者を全国から集める様に取り組んでまいります。

 

 以上が令和3年度における施策の大要であります。

この記事に関するお問い合わせ

担当課: 総務部市長公室
tel: 023-654-1111
fax: 023-653-0704