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施政方針

令和2年度 施政方針

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令和2年度施政方針を掲載しました

はじめに

 令和元年度第6回天童市議会定例会に当たり、市政運営の基本的な考え方について、所信の一端を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。

 私が市政をお預かりして12年目になる令和2年度は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。新しい時代の到来を予感させるとともに、躍動感ある年になるものと思う次第であり、初心を忘れることなく、新たな決意で臨んでまいる所存であります。

 令和元年度を振り返りますと、市長就任以来一貫して掲げてきた「子育て支援」、「観光・ものづくり」、「スポーツ・文化・健康づくり」の三つの日本一への挑戦に向けた様々な施策に、鋭意取り組み、市政の着実な発展を図ってまいりました。

 増大する保育需要に対応するため、7つの認可保育所、小規模保育事業所等の整備を支援してまいりました。成生児童館の後継施設については、民設民営による認定こども園として、他の施設と同様に、今年4月の利用開始に向け準備が進んでおります。また、第3子以降保育料無料化事業については、国の幼児教育・保育の無償化に対応しながら継続するとともに、18歳までの子どもの医療費無料化事業にも引き続き取り組んでまいりました。

 一昨年の二千局盤来におけるギネス世界記録達成を記念し、参加者及び関係者全員の名前を刻んだモニュメントを舞鶴山に整備しました。また、プロ棋士の輩出を目指した「指す将棋」の普及にも取り組み、「将棋のまち」のピーアールに努めたところであります。

 降雹やりんご黒星病による果樹への被害が市内全域において発生したため、農薬散布等の防除に対し支援しました。補正予算に計上し、迅速な対応を図ったところであります。

 高齢者健康福祉施設「天童温泉 はな駒荘」は、老朽化した「かまた荘」と「ふれあい荘」に替わる新たな施設として整備を進めており、今年4月にオープンします。健康づくりや憩いの場として、また、天童温泉の外湯として有効活用を図ってまいります。

 スマートインターチェンジとしての整備検討を進めてきた「(仮称)天童南インターチェンジ」については、昨年9月に国の準備段階調査に採択されました。引き続き、早期の実現に向けて、関係機関、団体と協議を進めてまいります。

 集落公園として整備を進めてきた「原崎ふれあい公園」が昨年12月に完成しました。今後、地域の皆様の憩いの場、また、災害時の避難場所として活用され、良好な住環境確保の一助になるものと期待しております。

 老朽化した市立津山公民館の改築工事を実施しました。今年4月に供用開始し、地域活動の拠点として地域から愛される施設となるよう努めてまいります。

 今年1月に山形市と連携中枢都市圏の形成に係る連携協約を締結しました。6市6町による連携により、一層の地域振興が図られるものと期待するものであります。

 本市初となる3名の地域おこし協力隊員を今年度採用しました。観光、移住定住、国際交流の分野で活動していただいております。

 国際交流では、昨年7月に中国 瓦房店市、今年1月にニュージーランド マールボロウ市への市民訪問団を派遣しました。私も9年振りに中国を訪れ、両市の友好と瓦房店市の変貌を肌で感じてまいりました。

 このように、本市のさらなる発展に向けて各種施策を着実に進めることができましたのは、議員の皆様を始め多くの市民の皆様の御協力の賜物と、深く感謝申し上げる次第であります。

 さて、国においては、一億総活躍社会の実現に向け、全世代型社会保障への改革や子育て支援のさらなる強化とともに、少子高齢化を克服する鍵として、性別や年齢などを問わない、誰もが活躍できる社会づくりを推進するとしております。成長戦略においては、中小・小規模事業者の事業継承への支援や第四次産業革命と言われる新しい技術への投資促進、デジタル社会に相応しい規制改革などに取り組むとしています。また、オリンピック・パラリンピックを契機とした観光立国の推進や海外市場の開拓と農業生産基盤の整備等による農林水産業の強化などとともに、地方創生においては、地方への移住支援のさらなる促進を図ることを施策として掲げています。しかしながら、人口の東京一極集中が加速している状況の中、少子高齢化や人口減少は、地方においては、避けて通れない深刻な課題であります。

 このような状況を踏まえ、本市としては、生き生きとして住み続けられる持続可能な未来を描くことができるよう、第七次天童市総合計画に掲げる5つのまちづくりの目標に基づく各種施策に積極的に取り組んでまいります。将来都市像「笑顔 にぎわい しあわせ実感 健康都市 ~ともに明日をひらく てんどう~」の実現に向け、市民目線に立った行政サービスの向上とさらなる高みを目指した挑戦を続けていく所存であります。

 

令和2年度予算の大要

 我が国の景気及び経済情勢は、海外経済の減速等を背景に外需が弱いものの、雇用・所得環境の改善等により、内需を中心に緩やかに回復しております。また、昨年10月に実施した消費税率の引上げに当たっては、軽減税率制度などの対応策を実施しております。こうしたことから、今後についても、緩やかな回復が続くことが期待されるものの、消費税率引上げ後の経済動向については引き続き注視が必要であり、米中貿易摩擦など海外発の下方リスクによる悪影響についても懸念されるところであります。

 このような中、国では「15か月予算」の考え方の下、災害からの復旧・復興と安全・安心の確保、未来への投資とオリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上などを柱として策定された「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」に基づき、予備費を含めた令和元年度予算及び補正予算並びに令和2年度の臨時・特別の措置を適切に組み合わせることにより、当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な経済成長の実現に向けた取組を進めるとしています。

 一方、令和2年度の地方財政対策においては、地方が安定的な財政運営を行うために必要となる一般財源総額について、令和元年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することを基本とし、地方交付税総額を増額するとともに、赤字地方債である臨時財政対策債の発行額を抑制しております。しかしながら、会計年度任用職員制度の施行や昨年から開始された幼児教育・保育無償化などに伴う歳出増加により、地方財政を取り巻く状況は、依然として厳しいものがあります。

 こうした中、本市の令和2年度当初予算編成に当たっては、第七次天童市総合計画を推進するため、中長期的な視点から持続可能な財政運営を確保しつつ、緊急度や優先度に応じた事業の取捨選択を基本とし、最少の経費で最大の効果を発揮する予算を編成したところであります。

 歳入予算については、景気の回復基調を背景とした個人所得の伸びや、新市街地の開発等による市税の増加を見込んでおります。国や県の補助金等の財源を適切に見込んだほか、市債については、後年度負担を考慮しながら総額を抑制し、基礎的財政収支を黒字としたところであります。

 歳出予算については、本市の重点施策である子育て支援に引き続き取り組むとともに、市民の健康づくりや身近な福祉の充実を図り、誰もが暮らしやすいまちづくりを進めることとしております。また、地域ブランド力の源泉である将棋関連事業の推進や新たな工業団地整備による雇用の場の確保、積極的な観光誘客事業の展開を図り、賑いと活力の増進につなげていくものであります。

 この結果、令和2年度の一般会計予算総額は、262億8千万円で、前年度比2億3千万円、0.9%の増となっております。また、一般会計、特別会計及び企業会計を含めた全会計の予算総額は、471億9,600万9千円で、前年度比6億5,058万7千円、1.4%の増としたところであります。

 

令和2年度重点施策

 次に、令和2年度の重点施策について、第七次天童市総合計画の基本計画に沿って、御説明申し上げます。
 

(健康と健やかな成長を支え合うまちづくり)

 初めに、「健康と健やかな成長を支え合うまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 人材不足が深刻な介護職員の確保を図るため、介護事業所が行う新規の職員雇用に伴った宿舎借上げを支援します。在宅高齢者の非常時における通報を行う緊急通報体制整備事業については、24時間の安否確認機能を付加するなど、内容を拡充して取り組んでまいります。

 障がい児家庭に対する特別支援学校送迎支援事業について、障がいや家庭等の状態に応じたきめ細かな支援となるよう見直し、一層の負担軽減を図ります。

 これまでも幼児教育・保育施設の整備を継続して支援してきたところでありますが、特に需要が増大する低年齢児の受入れを確保するため、令和3年度の開設に向けて認定こども園を整備する民間事業者への支援を実施してまいります。放課後児童クラブについては、入所児童数の急増が見込まれる高擶小学校区及び環境改善が必要な天童中部小学校区において、新たに施設を整備し、適正な運営となるよう対応してまいります。

 また、国の幼児教育・保育の無償化とともに実施する第3子以降保育料無料化事業、18歳までの子どもの医療費無料化事業については、これまで同様、継続して取り組んでまいります。

 病院事業については、引き続き、経営再生アクションプラン等に基づく収益の確保や経営の効率化に取り組み、経営の健全化と収支の黒字化を図るとともに、県の地域医療構想に沿った機能分担や病床再編を進めることにより、地域に根差した安全で質の高い医療の提供に努めてまいります。


(産業の活力と魅力あふれるまちづくり)

 次に、「産業の活力と魅力あふれるまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 遊休農地等からの病害虫被害の拡大防止に取り組む地域での活動を支援します。近年の自然災害の多発に鑑み、果樹等の農作物被害に迅速に対応するための補助制度を創設します。捕獲した有害鳥獣の埋設等に係る負担を軽減するため、鳥獣被害防止対策事業を拡充します。遊休農地の発生を抑制するため、高齢等を理由とした離農者が行う農地の更地化を支援します。

 森林情報館「もり~な天童」については、改修工事とともに管理運営を見直し、特産品のピーアールや観光案内等の機能強化を図ります。特に将棋駒については、製作実演や販売、工人の作品展示、工房案内などを行いながら賑いを醸し出し、来訪者の市内周遊につなげてまいります。

 紅花による観光誘客、地域振興を図るため、おくのほそ道天童紅花まつりへの支援を拡充します。

 仙台空港におけるバンコク線の運航が再開されたことから、タイをターゲットにしたインバウンド促進と特産品の販路拡大を図るため、現地でのプロモーション事業を展開します。

 山口西工業団地については、区域南側の第2期造成工事を実施します。今年度実施した北側の第1期造成分については、今年秋に分譲を開始し、積極的な企業誘致により、早期の完売を目指します。


(住みよい環境と安心を守るまちづくり)

 三つ目に、「住みよい環境と安心を守るまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 居住及び都市機能の適正化を図るため、立地適正化計画を策定し、持続可能なまちづくりに努めてまいります。

 市道天童東根線の橋梁工事を継続して実施するほか、市道向原1号線を始めとする道路等の改良や維持補修等についても計画的に取り組んでまいります。

 水道・下水道事業については、引き続き健全で持続可能な経営に努めてまいります。水道事業については、安全な水を安定して供給するため、老朽管路の耐震化や配水施設の更新等を計画的に実施します。下水道事業については、良好な生活と環境を確保するため、汚水管渠の更生やマンホール蓋の更新等による施設の長寿命化と耐震化を図ってまいります。

 良好な住環境の維持や公園の安全な利用を図るため、公園の遊具の更新やトイレの改築、天童公園のもみじ園整備を引き続き実施するとともに、高擶地域の集落公園整備に取り組んでまいります。天童高原キャンプ場の来場者増加と施設老朽化に対応するため、機能強化を伴った浄化槽の更新工事を実施します。

 全国的な災害の多発に鑑み、災害等発生時の迅速な情報伝達を図るため、同報系防災行政無線や個別受信機の整備を引き続き行います。外国人からの119番通報等に迅速かつ的確に対応するため、24時間体制の通訳を介する三者間通話を消防指令センターに導入します。

 

(夢をはぐくむ学びのあるまちづくり)

 四つ目に、「夢をはぐくむ学びのあるまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 「ふるさと」としての本市に対する理解と愛着を育むため、中学1年生を対象とした新たな副読本の編集に着手します。今年度試験的に導入した英語4技能検定を全ての小学6年生を対象に導入し、小中学校の連携による英語力の向上を目指します。ICT教育の推進を図るため、全小学校に新しい教科書に対応した算数と理科の指導者用デジタル教科書を配備します。教職員の負担軽減を図るため、校務支援システムを全ての小中学校に導入します。学校施設における教育環境の保全に努めるとともに、計画的な小学校のトイレ洋式化に向けた設計業務に着手します。

 社会教育施設等整備計画に基づき、老朽化した市立山口公民館の改築に取り組んでまいります。

 老朽化が進む市民文化会館及び美術館については、大ホール舞台装置の更新等を実施するとともに、両施設の長寿命化計画を策定し、財政負担も含めた計画的な修繕等を図ってまいります。

 国指定史跡である西沼田遺跡公園の良好な維持管理を図るため、倒壊している建物の修復工事を実施します。

 オリンピック・パラリンピックの聖火リレー及び聖火フェスティバルが本市でも実施されることから、市民参画による式典等を開催し、オリンピック・パラリンピック開催に向けた機運醸成を図るとともに、トルクメニスタンとのホストタウン交流事業に引き続き取り組んでまいります。天童ラ・フランスマラソン大会については、魅力的な大会となるよう工夫を凝らしながら開催し、本市のピーアールに努めてまいります。モンテディオ山形に関しては、新スタジアム建設に係る関係団体の動向を注視し、情報収集に努め、適切に対応するとともに、市内全地域にあるモンテ応援隊と連携し、天童市民応援デーなどにおいて全市を挙げた支援を展開してまいります。

 

(健全な行財政をともに築くまちづくり)

 最後に、「健全な行財政をともに築くまちづくり」に関する主な施策について申し上げます。

 今年度に引き続き、第七次天童市総合計画後期計画と第2期天童市まち・ひと・しごと創生総合戦略を一体的な計画として策定してまいります。

 セキュリティ対策の確保及び事務処理の効率化を図るため、内部情報系システムの再構築と機能の見直しに取り組みます。

 ふるさと納税については、地場産業の振興等に向け、制度の趣旨に沿った健全で適正な運用に心掛けてまいります。また、ふるさと納税を通した関係人口の創出、拡大に取り組んでまいります。

 8年ぶりとなる海外の姉妹都市であるイタリア マロスティカ市への市民訪問団派遣を実施します。

 地域おこし協力隊を始めとする移住・定住の促進に向けた施策を推進してまいります。地域おこし協力隊については、外からの目線による新たな取組を多くの分野に広げられるよう拡充に努めてまいります。

 

 以上が令和2年度における施策の大要であります。

この記事に関するお問い合わせ

担当課: 総務部市長公室
tel: 023-654-1111
fax: 023-653-0704